銀歯はレジン・セラミックに詰め替えるべき?注意点は?

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銀歯はレジン・セラミックに詰め替えるべき?注意点は?

はじめに

比較的軽度の虫歯では、歯を削った後に「詰め物」を装着することになります。専門的には「インレー」とも呼ばれるもので、保険診療ではメタルインレーである“銀歯”を選ぶ方が多いです。なぜなら、銀歯は保険が適用されるため、費用負担を軽くすることができるからです。
ただし、銀歯は金属色がむき出しであったり、金属アレルギーのリスクがあったりするなど、デメリットが目立つことから、白い材料に詰め替えたいと希望される方も珍しくありません。

そこで今回は、銀歯をやり直すべきかに焦点を当てて詳しく解説します。

 

銀歯は詰め替えたほうがいい?

銀歯は、以下に挙げる4つの点を踏まえると、白い材料に詰め替えた方が良い場合もあります。

 

 

 

 

 

●銀歯の下は虫歯が再発しやすい

銀歯はとても丈夫な材料ですが、歯質との適合性はそれほど高くありません。治療から時間が経過すると、接着用のセメントの劣化も早く、歯質との間にすき間が生じやすいです。そのスペースに細菌が侵入すると、虫歯を再発してしまいます。

●金属アレルギーになりやすい

銀歯は、口腔内に設置する器具・人工歯の中でも金属アレルギーのリスクが高くなっています。唾液や熱刺激によって溶出した金属イオンが歯茎の血管に入り、アレルゲンと見なされてしまうのです。その結果、口腔粘膜だけでなく、手足の皮膚などにも発赤などが現れます。

●アマルガムを使っている銀歯は有害

数十年前までは、銀歯に「アマルガム」と呼ばれる合金が使われていました。この中には人体に有害な作用をもたらすことがある「水銀」も含まれています。国内の歯科治療で使われることはなくなりましたが、まだお口の中にアマルガムが残っている方はいらっしゃいます。そうしたアマルガムの銀歯に何らかの問題がある場合は、安全性の高い材料に詰め替えた方が良いといえます。

●歯茎が黒くなる可能性がある

唾液や熱刺激によって溶出した金属イオンは、歯茎に沈着することで「メタルタトゥー」の症状を引き起こすことがあります。金属色が歯茎に認められるようになり、口元の審美性が低下します。

こうしたリスクやトラブルを回避する上で有用なのが「コンポジットレジン」と「セラミックインレー」なのです。

 

コンポジットレジンという選択

●コンポジットレジンとは

コンポジットレジンとは、取り扱いが容易な歯科用プラスチックです。白色材料で、天然の歯に調和しやすく、いろいろな形態の欠損を補うことが可能です。

●コンポジットレジンのメリット

  • 色の種類が豊富で天然歯の色調を再現しやすい
  • セラミックよりは安い費用で治療できる
  • 歯を削る量を最小限に抑えられる
  • 欠けたり、変色したりした際の修理が容易
  • 治療期間が短い
  • 金属アレルギー、メタルタトゥーのリスクがゼロ

●コンポジットレジンのデメリット

  • 経年的な摩耗や変色が起こりやすい
  • 汚れや臭いを吸着しやすい
  • 歯質との適合性はセラミックほど高くない

 

セラミックインレーという選択

●セラミックインレーとは

セラミックインレーとは、歯科用陶材(しかようとうざい)と呼ばれるセラミックを使った詰め物です。天然歯のように美しく、耐久性も高いため、治療後も長く使い続けることが可能です。

●セラミックインレーのメリット

  • 天然歯の色調、光沢、透明度を再現しやすい
  • 経年的な摩耗、変色が起こりにくい
  • 歯質との適合性が高く、虫歯の再発リスクが低い
  • 金属アレルギー、メタルタトゥーのリスクがゼロ
  • 汚れや臭いを吸着しにくい
  • 装置の寿命が長い(10~20年程度)
  • 印象材を使用せず光学印象で作成できる

●セラミックインレーのデメリット

  • 費用がやや高い
  • 壊れた時の修理が困難
  • 歯を削る量はレジンより多い
  • 治療期間がやや長い

まとめ

詰め物の劣化は材料の種類に関わらず、必ず起こります。耐久性に優れたセラミックでも10~20年で寿命を迎えるのが一般的であり、永久に使える詰め物は存在していません。ですから、インレーの詰め替えを検討する際には、材料の劣化という点も踏まえた上で、適切といえる治療法を選ぶ必要があります。

当クリニックは、ほとんどの材料に対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。マイクロスコープを用いた精密治療も可能です。

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