口輪筋を鍛える方法やメリット、表情との関係を解説

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虫歯治療

口輪筋を鍛える方法やメリット、表情との関係を解説

はじめに

皆さんは「口輪筋(こうりんきん)」という筋肉をご存知ですか?
口唇の周りにある筋肉で、しゃべる・食べる・呼吸をすることと密接に関連があります。
あまり耳にすることがないかと思いますがお口・全身の健康とも深い関わりがあるものなので、是非とも詳しく知っておいていただきたいです。

今回はそんな口輪筋を鍛える方法やメリット、表情との関係などをわかりやすく解説します。

 

口輪筋とは?

口輪筋は、文字通り“輪っか”のような形をしている筋肉ですが、肉眼で確認することはできません。
上下の口唇の周りに存在しているものとお考えください。その働きは主に口を開けたり、閉じたり、すぼめたりすることです。
誰もが日常で無意識に使っているものなので、そもそも筋肉という認識がない方もいらっしゃることでしょう。
それだけに、「わざわざ鍛える必要もないのでは?」と思われるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
なぜなら、口輪筋は放っておくと衰えて、さまざまなデメリットをもたらすからです。

 

鍛えることのメリットと衰えることのデメリット

口輪筋は、単に口を開け閉めするだけの筋肉ではありません。その筋力を鍛えることで、次に挙げるようなメリットが得られます。

お口全体の健康増進

口輪筋を鍛えると、歯に対して適切な圧力が加わり、出っ歯や受け口、開咬(かいこう)などの歯並びの異常を防ぐことができます。
咬み合わせも正常に発育し、食べ物を効率良く噛めるようになることから、歯や歯茎、顎の関節にかかる負担も最小限に抑えられます。
その結果、お口全体の健康維持・増進につながります。

顔のたるみを防ぐ

年を取ると、顔が老けてきますよね。それは口輪筋が衰えることと直結しています。口輪筋は口角を上げる役割も担っているため、その機能が衰えると表情が乏しくなってしまうのです。
また、口輪筋からはたくさんの表情筋が放射状に伸びており、喜びや驚きを表す表情とも強く関連しています。ですから、口輪筋を鍛えることで、表情が豊かになり、顔のたるみも予防できます。

いびきや睡眠時無呼吸症候群を防ぐ

口輪筋が衰えると、口を閉じることが難しくなります。その状態が睡眠中も続くと、舌が喉の奥へと後退して気道を塞ぐことがあるのです。
そうして起こるのがいびきや無呼吸です。最近では、睡眠時無呼吸症候群という病気が有名になりましたが、
口輪筋を鍛えるだけでもそのリスクを低下させることは可能なのです。

風邪やインフルエンザの予防に

口輪筋は、鼻呼吸を促す役割も担っています。口唇が閉じていれば、自ずと鼻から呼吸するようになりますよね。
逆に、口輪筋の衰えによって口が開いていると、口呼吸が促され、細菌・ウイルスが直接、喉の奥に侵入しやすくなり、
風邪などの感染症リスクが上昇するのです。そのため、口輪筋を鍛えることは、風邪やインフルエンザ、
新型コロナウイルス感染症の予防にも寄与します。

 

口輪筋を鍛える方法について

口輪筋は、その他の筋肉と同様、ご自身の努力で鍛えることができます。

道具を使って鍛える方法

○割りばし

割りばしを口にくわえて、口輪筋を意識しながら口角を引き上げます。その後は、口角をゆっくりと下げて元に戻します。
その運動を数回繰り返すだけでも口輪筋は鍛えられます。

○風船

風船を膨らませる行為は、口輪筋のトレーニングそのものといえます。指ではなく、唇で風船を保持しながら、
ゆっくりと膨らませるのがポイントです。当然ですが息は鼻から吸います。

道具を使わずに鍛える方法

道具を使わずに口輪筋を鍛えるのであれば、「口輪筋体操・口輪筋エクササイズ」がおすすめです。
鏡を見ながら「あ・い・う・え・お」と大きく口を動かします。この時、声は出さなくても大丈夫です。
続いて、口角をゆっくりと引き上げ、笑顔を作る。頬を大きく膨らませて怒った顔を作る。
最後に「おー」と思い切り口を縦に開いてムンクの叫びのような顔をして終わりです。

トレーニング器具「りっぷるとれーなー」

当クリニックでは「りっぷるとれーなー」という口輪筋を鍛える器具を使用しています。
お口の中にフィットするよう丸みをもたせた設計で、小さなお子様やご高齢の方でも安全に使えるよう誤飲防止ストッパーがついています。
また、口輪筋のみならず周囲の表情筋も鍛えられます。

 

■まとめ

このように、口は全身の健康の入り口といっても過言ではないほど、重要な役割を担っています。
そんな全身の入り口の扉である「口輪筋」が衰えていると、感染症にかかりやすくなったり、顔が老けて見えたりするため十分に注意する必要があります。そんな口輪筋の治療・リハビリテーションは、歯科の専門領域でもありますので、口のたるみが気になる、上手く食事ができなくなってきた、という方は当クリニックまでお気軽にご相談ください。

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