子供の歯の着色の原因と対処法を解説

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小児歯科

子供の歯の着色の原因と対処法を解説

はじめに

歯というのは、もともと白い組織なので着色があると不安に感じてしまうものですよね。
とくに子供は大人よりも虫歯リスクが高く、場合によっては歯の発育異常なども考えられるため、親御様としては早めに対処しておきたいところだと思います。
今回は、そんな子供の歯の着色が起こる原因と自宅でできる対処法・歯科医院での対処法についてわかりやすく解説します。

 

子供の歯が着色する4つの原因

子供の歯が着色する原因は、大きく4つに分けられます。

●茶渋などによる汚れ

子供の歯の着色の原因として最も多いのが「ステイン」です。
お茶を始めとした色素の濃い食品を習慣的に摂取していると、歯の表面にステインが形成されます。
あるいは、歯垢や歯石に色素が沈着して、歯を黄ばませることもありますが、いずれも病気ではないのでご安心ください。

●虫歯

歯の着色が認められる部分に穴が開いている場合は、虫歯の可能性が高いです。
とくに象牙質まで達した虫歯では、酸によって溶かされた歯質が軟らかくなり、そこに汚れが沈着しやすくなります。
汚れ自体はステインと大差はありませんが、虫歯を治さなければ着色も悪化していきます。

●外傷などによる神経の失活

子供は転倒によって顔面及び前歯を強打することが多いです。
その際、歯質が割れなくても、歯の中心にある神経が死んでしまい、歯を黒ずませることがあります。
一般的な着色や虫歯との決定的な違いは、着色の範囲です。
歯髄の失活では、歯全体が黒くなるため、比較的診断はつけやすいです。
ちなみに、外傷による歯髄の失活は、受傷からしばらく経過して症状が現れるため、一般の方には原因がわかりにくくなっています。

●エナメル質形成不全

エナメル質形成不全とは、その名の通りエナメル質が未熟な状態で歯が生える現象です。
先天的な病気や異常でそのような症状が現れる人もいれば、乳歯の虫歯の重症化が原因となることもあります。
エナメル質形成不全では、歯の着色や変色だけでなく、形態的な異常を伴うことも多いです。

 

自宅でできる対処法

子供の歯の着色は、自宅でのケアで改善できるものもあります。それは原則としてステインなどの「着色汚れ」のみです。
虫歯や神経の失活、エナメル質形成不全による歯の着色は、ホームケアでは改善できません。ですからここでは、自宅での着色汚れの対処法をご紹介します。

●色素の強い食品を避ける

歯の着色汚れの主な原因は食事なので、色素の強い食品はできるだけ避けるようにしましょう。
子供の場合はジュースやお菓子、スイーツなどに十分な注意が必要です。
とりわけ粘着性の高いおやつは歯の表面に残りやすく、虫歯の原因にもなります。

●歯磨き・うがいをしっかり行う

仮に、着色性の高い食べ物を口にしたとしても、そのあとの歯磨き・うがいをしっかり行っていれば歯の黄ばみ・黒ずみは抑えられます。
同時に、虫歯予防にも寄与します。ただ、一度形成されたステインは、歯ブラシによるブラッシングできれいに落とすことは難しいので、プロフェッショナルケアを受けることも大切です。

 

歯科医院での対処法

●着色汚れはクリーニングで取り除く

ステインの多くは歯ブラシによるブラッシングでは落とせません。歯科衛生士によるクリーニングで一掃してもらいましょう。
歯垢や歯石も専用の器具を使ってきれいに取り除いてくれます。クリーニングでも改善できない汚れは、ホワイトニングで化学的に分解・除去します。

●虫歯による汚れは虫歯治療で改善

虫歯によって沈着した汚れは、虫歯治療でなければ除去できません。
虫歯になっている部分をドリルで削り、コンポジットレジンなどで修復します。
治療後も口腔ケアをしっかり行わなければ虫歯や着色も再発してしまいます。

●外傷による変色は被せ物治療

外傷による歯の変色・着色は、クリーニングやホワイトニングで改善することはできません。
歯の内側から漂白する「ウォーキングブリーチ」であれば、ホワイトニングで改善できることもありますが、一部の症例に限られます。
標準的には、ラミネートベニアやセラミッククラウンなどを装着して、見た目を白くします。
エナメル質形成不全による歯の変色も基本的には被せ物治療で対処することになります。

 

まとめ

このように、歯の汚れは原因によって対処法もさまざまです。
歯ブラシによるブラッシングで落とせる汚れであれば心配ありませんが、それ以外のものは歯科医院での処置が必要となります。
とくに虫歯は進行性の病気なので、放置するほど症状も悪化していくため十分にご注意ください。
そんな子供の歯の汚れが気になったら、いつでもお気軽に当クリニックまでご相談ください。

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