マウスピース矯正で痛い場合の対処法とNG行為を解説

カテゴリー:

矯正治療

マウスピース矯正で痛い場合の対処法とNG行為を解説

はじめに

マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正よりも痛みが少ないことで有名です。それはマウスピースを使って短い距離を動かしていくためです。けれども、痛みへの感受性は個人差が大きく、マウスピース矯正でもすごく痛いと感じる方はいらっしゃいます。ですから「マウスピース矯正だから痛くない」とか「マウスピース矯正は絶対に痛みを感じる」といったように一概には言えません。
そこで今回はマウスピース矯正で痛みを感じるときや痛みが出たときの対処法についてわかりやすく解説します。

 

マウスピース矯正で痛みを感じるとき

マウスピース矯正で痛みを感じるのは、次に挙げるようなときです。

●最初にマウスピースを装着したとき

マウスピース矯正で最も痛みを感じやすいときは、治療を開始した当初です。マウスピースを初めて装着したときは、装置による違和感や異物感も大きく、それらを「痛み」と感じることが多いです。また、歯に対して初めて矯正力が加わることから、自ずと痛みや不快感も強くなります。

●長い間マウスピースの装着を忘れたとき

マウスピースを長期間、装着していないと、歯の後戻りが生じます。その結果、現在使っているマウスピースが合わなくなり、より強い矯正力がかかるようになるのです。

●マウスピースを新しく交換したとき

マウスピース矯正は、2週間に1回程度の頻度で患者様ご自身に交換していただきます。冒頭でも述べた通り、マウスピース矯正では比較的弱い力で少しずつ歯を動かすため、治療に伴う痛みは弱いものの、新しいマウスピースに交換したときはやや強い痛みが生じます。歯の移動に伴って矯正力も消費されていくことから、数日もすれば痛みは和らぎます。

●矯正治療に必要な処置を行ったとき

マウスピース矯正では、アタッチメントと呼ばれるパーツを装着することがあります。歯の表面にレジン製の突起物を設置する処置で、マウスピースが浮きにくい、より効率良く歯を動かせる、といった効果が期待できます。その分、歯列との密着性が高まり、矯正力も強くなることから、痛みを感じやすくなります。

 

痛みが出た場合の対処法について

マウスピース矯正で痛みが出た場合の対処法は、原因によって異なります。

●一つ前のマウスピースに戻してみる

長期間、マウスピースの装着を怠って歯の後戻りが生じた場合は、一つ前のマウスピースに戻します。ただしそれは自己判断ではなく、主治医と相談して決める必要があります。

●マウスピースを削ってみる

マウスピースの辺縁などが歯茎に当たって痛い場合は、該当箇所を削ることで対処します。歯の移動に支障が出ない範囲であれば、マウスピースを削ることができます。

●歯や歯茎をマッサージしてみる

マウスピース矯正による痛みが比較的軽度であれば、歯や歯茎を優しくマッサージしましょう。マウスピース矯正とはいえ、顎の骨に埋まっている歯を人為的に動かす処置である以上、多少の痛みは生じます。痛みが我慢できる範囲であれば、マッサージで乗り切りましょう。

●痛み止めを服用してみる

マウスピース矯正による痛みが強く、日常生活にまで支障が出るようであれば、市販の痛み止めを服用しても問題ありません。ただ、痛み止めはあくまで対症療法なので、根本的な問題を解決するために、主治医に相談することも必須です。

 

痛みが出た場合にやってはいけないこと

矯正中に痛みが生じた場合は、以下の点にご注意ください。

●独断でマウスピース着用をやめること

矯正用のマウスピースは、1日20~22時間程度、毎日着用することで適切な効果が得られます。痛みがあるからといって勝手に着用をやめると、治療計画に大きな乱れが生じます。場合によっては、治療期間が大幅に延長してしまうため要注意です。

●市販の痛み止めをむやみやたらに服用すること

市販の痛み止めは、その種類にもよりますが「抗炎症作用」によって歯の移動を妨げることがあります。むやみに痛み止めを服用すると、計画通りに歯が動かず、さらに深刻な問題へと発展しかねません。ですから、矯正中の痛み止めの服用は、最低限に抑える必要があります。

●無駄な刺激を加えること

歯や歯茎に痛みがあると、必要以上に強く噛んだりして刺激を加えがちです。痛みの症状が気になるのはよくわかりますが、余計な刺激を加えると炎症反応が亢進してしまいます。矯正によって痛みが生じている場合は、できるだけ安静に過ごすようにしてください。

 

まとめ

マウスピース矯正は、治療のスタートからゴールまでをコンピューター上で管理できるシステムなので、我慢できないほどの痛みが生じることはまずありません。初めてマウスピースを装着したときや新しいマウスピースに交換したときは、それなりの痛みを伴いますが基本的には2~3日で緩和されます。我慢できないほどの痛みが4日以上継続する場合は、何らかの異常が疑われますので、早急に当クリニックまでご連絡ください。適切に対処いたします。

ページトップへ